くれぐれも無断転用や無断にての「見てからの真似事等」無き用よろしくであります。
「竹に雀」は、大変に数多くの派生を生じた紋章でありますが、
一つには其の歴史が長い事、
そしてもう一つにはそれが大変な名誉ある紋章であることが多くの派生を生じさせた理由と思われます。
水心は、「竹に雀紋」を集めておりまして、百通り集めると言う誓いを立てております。
この形の竹に雀紋は、輪が「竹輪」であり、笹が十五枚、雀はつがいで、
一羽は恐らく巣で抱卵していると考えられます。
製作に当たっては多分のビフォーアフターがありましたが、
この形を決めた理由をしっかりと読み取り、図形的な定義を再構築して「美しく正しく」製作しました。
製作に当たってのビフォーアフターを行うには、「描き損じの法則」を知ることが大切で、
自分達は様々な時代の、様々な素材の家紋を分析して「描き損じの法則」を見出してきました。
私達はデザインから自前で行い下絵を手描ききする製作チームでありますが、
私どもが家紋の下絵デザインにおいて最も重要視する点は「線の面積」、そして「線の幅」であります。
半径に対して描線は?白と黒との面積比の理想値は?
明治維新以降寸法の基準にダブルスタンダードが生じ、
また経験則から生み出された図案作成方が其のダブルスタンダードによって崩壊したことから
家紋のデザイン性に重大なダメージが生じたと分析しております。
あわさか先生の名著「家紋の話」にも見受けられますが、
西洋式の数学が入ってきて、数学を用いた分析も行われたのですが、
二次元のとらえ方において、「点」に面積は無く、「線」にも面積が無いという
工芸の世界的にはありえないことを前提条件にして数学的数式が成立するので、
結局工芸的には役に立たない分析結果しか出てこなかったものであります。
素材と言う絶対的な制約が技術を制限し、また反面技術に洗練を要求してくるもので、
素材との対話がデザインの基本であることが「工芸」の世界の基本であり本質ですが、
近年発生している工芸デザインをおかしくしている要素に「工業技術」によって一時的に、
消費財としての耐久度をクリアすることが簡単になったということと、
その「工業技術」に依存した、素材との対話を省いてデザインすることができる(一時的に)と言うことが有ると考えます。
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テーマ:和風、和物、日本の伝統 - ジャンル:趣味・実用
- 2009/10/15(木) 01:38:38|
- 美術工芸
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